経理の基本~日常の記帳の流れ

創業まもない会社は、経営のすべてを経営者が行うことが一般的です。
会社経営では本業を優先してやるべき中、経理の仕事は、会社経営にとっては欠かせない業務です。
一方では、いくら時間をかけても利益を生み出さないのが経理。
では、経営者は、経理をどこまで処理すればよいのでしょうか?
ここでは、創業まもない会社が、最小限の時間で経理の仕事をこなすことを目的とした、日常の記帳の流れを解説していきます。
創業まもない会社は、仕訳取引数も少なく、経営の不安定な創業期に総務・経理の専従者を雇うのは難しいため、経理も経営者が行うことが一般的です。
お金のことであれば、専門家である税理士と顧問契約をすればすべてやってくれるはず、と考えていませんか?
税理士への仕事依頼量に応じて報酬払額は当然変わってきますし、そもそも経理の仕事である、領収証の整理や日常の帳簿付けなどは会社側が行うことです。
したがって、経営者も経理の基本を知っておく必要があります。
ここでは、最小限の時間で経理の仕事をこなしていくための、日常の記帳に至るまでの流れを解説していきます。

1.日常の記帳の流れ

事業では、必要なものを購入する際の「支払」、売上の際の「収入」が日常に起こります。
これらの動きを「取引」と言いますが、「取引」時には、取引を証明する証憑類が発行されます。

(1)証憑整理

証憑類とは、領収証、明細書など、取引が発生した時に内容を証明する書類のことです。
最小限の時間で経理をするなら、ノートに貼ったりする手間をかける必要はありません。
以下に分類し、日付順にクリップ止めしておく程度で十分に管理でき、効率的です。(ただし、保管義務がありますので紛失しないよう注意が必要です)

レシートなど品代の記載しかないものは、発生の都度、証憑類の裏に、事業の使途をメモ書きしておくと、記帳時に思い出せる、証拠になる、というメリットがあります。

では、証憑類は具体的にどのようなものがあるのか、整理頻度ごとに分類をして、見ていきましょう。
証憑類は、次に説明している「(2)帳簿への記帳」で使用しますので、→印でどの帳簿に入力するかも示します。

【証憑類の分類】

<整理頻度 日、週単位>

*レシート、領収証  → 現金出納帳に入力
*レシート、領収証が発行されない場合の出金伝票  → 現金出納帳に入力
レシート・領収証が発行されないことが説明できる場合
たとえば自動販売機で飲み物を購入した、香典を支払った 等は、「出金伝票」(文具店で購入可)
に書くことによって、領収証の代用ができます。

<整理頻度 月単位>

*預金通帳記帳 → 預金出納帳に入力
*自社が売り先に発行した請求書控、領収証控(図中①)→入金確認後(図中④)現金又は預金出納帳に入力
(請求書控である売上伝票を売掛帳代わりに代用することができます。領収証控がないものは、まだ未入金であると判断できます。売り先が多い場合は、未入金をチェックするためにも売掛帳に入力しましょう)
*仕入先から仕入れをした請求書、領収証(図中②)→支払確認後(図中④)現金または預金出納帳に入力
(請求書を買掛帳代わりに代用することができます。領収証がないものは、まだ未払であると判断できます。仕入先が多い場合は、未払をチェックするためにも買掛帳に入力しましょう)
*仕入れ以外の費用の請求書、領収証(図中②)→支払確認後(図中④)現金または預金出納帳に入力
(領収証のないものは、まだ未払であると判断できます)
*従業員ごとの給料支払明細書(図中③) → 現金または預金出納帳に入力
(社会保険料や所得税や住民税など、細かく天引き計算する必要があります。)

 

(2)帳簿への記帳(月単位)

帳簿への記帳は、手書きよりも会計ソフトの方が、会計に不慣れな方でも入力しやすく、安価で購入でき、便利です。
日常の収支は、現金か預金かのいずれから出入りしていますので、会計ソフトの現金出納帳、預金出納帳を確実に入力できれば(確実に入力できていれば残高が合っているはずです)、他の補助簿や主要簿(仕訳帳、総勘定元帳)、決算書(貸借対照表、損益計算書)に自動転記されます。
補助簿に入力することによって、複式簿記で記帳する手間が省け、会計に不慣れな方でも入力しやすいです。
(例)現金支払の場合
現金出納帳の入力時          消耗品費 2,000 / (自動入力)現金 2,000
振替伝票(複式簿記)入力時  (借方)消耗品費 2,000 / (貸方)現金 2,000

帳簿の種類は以下のとおりです。

なお、会計帳簿ではありませんが、毎月支払いが発生するものである「給料台帳」(従業員ごとに年間で管理する台帳)も毎月記録しましょう。

現金出納帳、預金出納帳に入力した仕訳が他の補助簿や、すべての会社に備え付けが義務付けられている主要簿(仕訳帳、総勘定元帳)、さらには決算書(貸借対照表、損益計算書)に自動転記されます。

(3)固定資産台帳の記入(年単位)

会社の所有する固定資産の、資産区分(機械、器具備品など)、取得日、取得価格、耐用年数、簿価(期首、減価償却後の期末簿価)などを記入します。
ただし、取得価格が10万円未満のもの、又は、使用可能期間が1年未満のものは、固定資産ではなく、その年分の必要経費となりますので、固定資産台帳に記入せず、消耗品費に計上します。

 

マネージャー 福田 有子

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