神奈川県内で創業される創業者のための融資制度として、①企業化支援資金(県制度融資)と②日本政策金融公庫 新企業育成貸付の2つをご紹介します。なお、企業化支援資金(県制度融資)につきましてはこちらをご覧ください。ここでは、日本政策金融公庫の新企業育成貸付をご紹介いたします。

 

(1)日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は、財務省所管の特殊会社(株式会社)で、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、中小企業や小規模事業者、個人などの国民生活の向上に寄与することを目的とする政策金融機関です

(2)新企業育成貸付(創業融資)とは

新たに事業を始める方や事業を開始2期決算前の方に無担保・無保証人で融資をする制度です。以下の要件がありますのでご確認ください

・雇用の創出

・技術・サービス等に工夫を加えニーズに対応する事業

・6年以上の当該勤務経験があること

・創業資金総額の1/10の自己資金(実際には1/2~1/3が要件となる場合が多い)

・融資額3000万円(運転資金は1500万円)

 

原則、無担保無保証人の融資制度で代表者個人には責任が及ばない制度となっています。

金利は細かい要件があり、また創業者のタイプや新規性の有無などによって異なりますが、おおよそ1.7%~2.3%程度だとお考えいただいて良いと思います

 

(3)新企業育成貸付の創業者にとってのメリット

 

  • 低金利

他の融資制度と比べて、相対的に低金利の場合が多いのが特徴です。また、信用保証料が不要なのも特徴です

 

  • 手続が相対的に簡易

申請の窓口は日本政策金融公庫となりますので、窓口や審査機関は1つですのでシンプルです。よって申込みから融資実行までの期間も比較的短期間です

 

  • 無担保・無保証人、代表者連帯保証なし、が大きなメリット!

新企業育成貸付を法人として申請する場合、原則、無担保・無保証人に加えて、代表者個人に責任が及ばない融資制度はこれだけです。

 

なお、法人の場合、代表者が連帯保証人となることも可能で、その場合は利率が0.1%低減されます。

 

(4)注意点

  • 対象者

・創業前もしくは創業後2期の決算を終えていない方が対象です。よって3期目の方は利用できず、通常の融資となりますので、代表者連帯保証付の融資になります。

・現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める創業者、もしくは、これから始める事業の経験が6年以上ある創業者が対象です。つまり、未経験者や経験不足の方には融資は困難となります。未経験者や経験不足の方は事業成功確率が低いと見られる傾向にあります。たとえば、サラリーマンを退職して、大好きな居酒屋を開業したいというケースです。

・創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を持っている創業者と公庫のサイトには記載がありますが、実際には3分の1以上の自己資金を持っているほうが有利です。

 

  • 税金や公共料金などの滞納がないこと

当たり前ですが、滞納者には融資の申込みができません。たとえばですが、仮に滞納している企業が倒産した場合、不動産などの資産があり、それで清算をしようとしたとしても、金融機関への返済より納税が優先されることになります。つまり滞納者からの返済は期待できないということになるのです

 

③創業前ということは事業実績がないので、事業計画書(ビジネスプラン)と人物像で判断される

とくに創業前や創業間もない場合、実績がありませんので、融資をしていいのかどうかの判断が難しいです。結局、その判断は、事業計画書と人物像を確認して、事業の実現可能性、収益性、競争優位性、持続性、成長性など多面的な判断で決定します。よって、事業計画書の作成が極めて重要になります。

 

 

(5)新企業育成貸付の申込みについて

いきなり最寄りの日本政策金融公庫の窓口に相談に行く方法もありますが、この記事をご覧になられた方々は、まずは神奈川産業振興センターの経営支援課までご相談ください。前述のとおり、事業計画書の内容や精度が非常に重要だからです。マネージャーの高久が対応させていただきますので、遠慮なくお問い合わせください。

 

文責:マネージャー 高久 広

 

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